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2010年ピロリ菌最新情報

ピロリ菌除菌を希望される方が、増えてきました。
除菌が保険でできる方は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の方に現在は限られています。しかし、潰瘍予防効果があるだけでなく、除菌により慢性胃炎による胃粘膜のただれや炎症が治まることがわかっています。
また、炎症による胃粘膜障害がよくなることで、除菌後胃がんの発生が三分の一程度に減少するといわれています。
今後は胃がん予防のため、胃炎の方でもピロリ菌除菌が望ましいと思われます。1回目の除菌が成功して、菌が消失する方は約80%くらいです。除菌にあたってLG21ヨーグルトを併用することで10%除菌できる割合が増えると報告されています。
1回目の除菌が失敗した方は薬を替えて2回目の除菌を行います。ほとんどの方はこの2次除菌でピロリ菌は消失してしまいます。残りの数%の方は、専門施設で3次除菌を行うこともあります。
いずれも、くすりの副作用が多少なりとも発生する場合があり、薬剤アレルギーのある方は、よくご相談してください。通常発生するのは「下痢」です。血便や薬疹・蕁麻疹が出た場合は中止して病院受診が必要です。

内視鏡検査に炭酸ガス(二酸化炭素)送気を導入(2008/10/16)

内視鏡検査では、消化管を観察するため胃や大腸を空気でふくらませて観察します。
検査終了直前に吸引しますが、それでも残る空気は窒素が約80%占めるため、胃腸に 吸収されにくく,検査後もおなかが張った感じが残ることがありました。また、空気が 十分排出されないと、大腸の検査後に気分がすぐれないなどの問題もありました。
今回導入した炭酸ガス送気装置は、観察のため安全な圧力の範囲で内視鏡から炭酸ガスを体内に送り込み、検査後に体内に残った炭酸ガスは消化管で自然に吸収されやすいため、無理に排ガスしなくてもおなかの張りが自然ととれ、気分が悪化することがありません。(ふだん私たちが炭酸飲料を飲んでも、おなかの張りが続かないのと同じ原理です。) 内視鏡の挿入方法には変わりなく、苦痛が少ないことはいままでと同じですが、検査後の不快感もより早く解消できるため、いままで以上に検査後も楽になると思います。 炭酸ガス使用による温暖化に対する対策は、電子カルテ化と資源ごみの分別活用に努め、検査中のco2排出量を減らすことで、少しでも今後の低炭素社会に貢献したいと思います。